[2016/12/21] ERG衛星:12/20 20JST 打上 — 衛星分離 — 命名「あらせ」くん

ERG-PWE現地派遣組の 松田さん(名大・ISEE)からのお土産写真を頂きました.

ERGくん,ロケット分離・軌道投入・自立(太陽電池パネル展開,姿勢確立)に成功したようです.新たについたお名前「あらせ」くん.ひさき(打ち上げ前のお名前は「EXCEED」)もそうでしたが.商標の関係で「ERG」は使えないそうで.

http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/9258.html
http://www.jaxa.jp/press/2016/12/20161220_arase_j.html

この先は,ロケットから離れて一人旅ですが,衛星SYSTEMメンバーのご尽力の元,無事に我々PWEの正月明け仕事「PWE-ON > Wire Antenna伸展 > 実観測開始」に至れることを祈っております.放射線帯内を右往左往する「業務」なのでシビアな世界ですが,がんばってくださいませ.(またWire先端球の表面コーティングが熱圏の原子酸素にやられてなくなってしまわないことも,祈っております.なるべく,最低高度を上げてくださいませ・・・)

<以下は 2016/12/18(日)>

上杉神社へのお参り(2016/8/6)と射場への移動(2016/9/29)を経た半年を経て,延びるのかなと思っていた JAXAのジオスペース観測衛星・ERG (Exploration of energization and Radiation in Geospace) の打ち上げが,珍しくも予定通り,2016/12/20 20-21時に,JAXA・内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から行われます.打ち上げポスターは「吹けよ風,呼べよ嵐」みたいな標語.

私は搭載されるPWE(電場・プラズマ波動観測機)の副主任研究者ですが(対欧州協力であるBepiくんとJUICEくんがあるため,現在は金沢大・笠原さんが主任),講義があるので,仙台から以下で打ち上げ見物の予定です.我々お客としては「ロケットはうまくいって当然!」.上がっていただきましょう.

問題はあくまでも「衛星!」.打上後に最初に日本上空に戻ってくる「第一可視」が重要です.私にとって,自分が直接開発に関わった衛星の打ち上げは,火星探査機Nozomi,オーロラ観測小型衛星Reimei,紫外線・極端紫外線望遠鏡衛星Hisaki,に続いて4回目.「打上勝率100%」は,日頃の行い(+上杉お札)もあって硬い...とはいえ,ロケットは依然としてrisky business.みなさまと共に見物しつつ,まずは旅路の門出である「周回軌道投入」の成功を祈ります.

観測機器は,当日昼の動作試験が終われば電源OFF,あとは衛星の状態が安定する年明け後までやること・できることもなく,ただ祈るのみ.年賀状は12/21以降に書く予定です.

[2016/12/14] NASA Group Achievement Awardを受賞 — 火星探査機MAVEN

寺田直樹准教授、中川広務助教、寺田香織研究員、黒田剛史客員研究員が火星探査衛星MAVEN Science Teamの一員としてNASAよりGroup Achievement Awardを受賞しました。

受賞者:MAVEN Science Team(寺田直樹准教授、中川広務助教、寺田香織研究員、黒田剛史客員研究員を含む)

賞名:NASA Group Achievement Award

受賞日:2016年12月

 

鎌田有紘さんが学生発表賞を受賞

博士課程前期1年の鎌田有紘さんが第140回地球電磁気・地球惑星圏学会の学生発表賞(オーロラメダル)を受賞しました。

受賞者:鎌田有紘 博士課程前期1年 惑星大気物理学分野

学会名:地球電磁気・地球惑星圏学会

賞名:学生発表賞(オーロラメダル)http://www.sgepss.org/sgepss/history/students.html

受賞対象課題:Simulation of the ancient Martian climate with denser pure CO2 atmosphere using a general circulation model, DRAMATIC MGCM

受賞日:2016年12月1日

垰千尋さんが大林奨励賞を受賞

客員研究員の垰千尋さんが第140回地球電磁気・地球惑星圏学会総会・講演会にて大林奨励賞を受賞しました。この賞は地球電磁気・地球惑星圏学会の35才以下の若手会員の中で独創的な成果を出し、さらに将来の発展が見込まれる研究を推進している者に与えられる賞です。垰千尋研究員は「数値モデルを用いた木星型惑星の熱圏ー電離圏ー磁気圏結合系の研究」の業績により、今回の受賞となりました。

受賞者:垰千尋 客員研究員(惑星大気物理学分野)

賞名:大林奨励賞

受賞対象課題:数値モデルを用いた木星型惑星の熱圏ー電離圏ー磁気圏結合系の研究

受賞日:2016年11月22日

学会名:地球電磁気・地球惑星圏学会

[2016/10/8] 北くんのひさき衛星を用いた結果がEOS誌に

木星オーロラは地球のオーロラとは違い、非常に強力なオーロラが常に観測されています。このオーロラは主に赤外線や紫外線で観測が行われており、時間変化や空間変化に関する議論が交わされています。

これまでのハッブル宇宙望遠鏡や地上望遠鏡などの大型施設を用いた観測は、年間に数日~1,2週間しか使用できませんでした。数時間~数週間の時間スケールでダイナミックに変化する惑星磁気圏を調べるには、より連続した観測が必要になってきます。

JAXAのひさき衛星は極端紫外の分光観測衛星で、惑星大気・磁気圏を主な観測ターゲットにしています。ひさき衛星も木星オーロラを観測していますが、この衛星の特徴的な点は長期観測できる点にあります。ひさき衛星の連続性を最大限に活用し、木星オーロラの新たな特性が解明されており先日EOS誌で特集されました

まだまだ謎が多い木星ですが、今後もひさきと共に研究を進めていくことで次第に明らかになっていくことでしょう。

Kita, H.; Kimura, T.; Tao, C.; Tsuchiya, F.; Misawa, H.; Sakanoi, T.; Kasaba, Y.; Murakami, G.; Yoshioka, K.; Yamazaki, A.; Yoshikawa, I.; Fujimoto, M. (2016), Characteristics of solar wind control on Jovian UV auroral activity deciphered by long-term Hisaki EXCEED observations: Evidence of preconditioning of the magnetosphere?, Geophys, Res. Lett., 43, 6790-6798, DOI:10.1002/2016GL069481.

hubble-image-jupiter-aurora-800x600
Credits: NASA, ESA, and J. Nichols (University of Leicester)

[2016/10/1] 木星探査機JUICE/RPWI-Japan 紹介 @ 遊星人(日本惑星科学会誌)

(by 笠羽)
欧州宇宙機関(ESA)の木星探査機JUICE(JUpiter Icy Moon Explorer:2022年打ち上げ)に搭載される「Radio and Plasma Wave Investigation」(RPWI: 電波・プラズマ波動探査装置)の紹介記事が,遊星人(日本惑星科学会誌)最新号で出版されました.欧州との共同作業なので全体として何がどう動いているのか見えにくいと思いますが,関係諸氏は恐縮ですがざっと眺めてご理解いただけると幸いです.
なお,以下の流れを部分部分で組んでいますが,低温・高放射線といった環境も違いますし,見る対象も組む相手も違うので,ほとんど新規です.まあ,新規だからやる気も起きる.
<礎となった先行missions> Akebono / Geotail / Nozomi / Kaguya / ERG / BepiColombo

みんなでふたたび木星へ,そして氷衛星へ  その4 ~電波・プラズマ波動観測器 RPWIの飛翔へ,
日本惑星科学会誌, 25, 3, 96-107, 2016.  (Author: 笠羽 康正, 三澤 浩昭, 土屋 史紀, 笠原 禎也, 井町 智彦, 木村 智樹, 加藤 雄人, 熊本 篤志, 小嶋 浩嗣, 八木谷 聡, 尾崎 光紀, 石坂 圭吾, 垰 千尋, 三好 由純, 阿部 琢美, Baptiste Cecconi, 諸岡 倫子, Jan-Erik Wahlund, JUICE-RPWI日本チーム)

JUICE RPWI EM2 (2016/10)

なお直近のニュース: 懸案の1つであった「9/24-26に,明星電気でPreampボックス(RWI)EM-1号機の振動試験を実施.打上振動に耐えることは証明した.(・・・が,ちょっと改良しようかな,とも思った.明星のみなさま & ポーランドのみなさまと相談中)」です.

本学では,私(RPWI 副主任研究者,日本側の代表・開発統括),および以下の方々が主力として絡んでいます.国内では金沢大・京大・名古屋大・RIKEN等,国外ではスウェーデン(全体まとめ)・ポーランド・フランス・チェコ・オーストリア・イギリス・・・と,多くの皆様のお手伝いを頂きつつ.

・三澤浩昭 准教授(惑星プラズマ・大気研究センター [惑星電波観測]): 日本側担当の高周波レシーバ,特に電波プリアンプ(RWI)の開発.木星周回探査機の外に暴露されて低温・高放射線に耐え抜くことを要請される,最も難易度が高い部分です.衛星開発は初ですが,PPARCの地上電波望遠鏡の総責任者であり,能力は証明済.

・土屋 史紀 助教(惑星プラズマ・大気研究センター [惑星電波観測]): 日本側担当の高周波受信部,特にレシーバ(HF)とその制御ソフトの開発.欧州側との複雑なI/Fを仕切る,これまた難易度が高い部分です.PPARCの地上電波望遠鏡開発や,Hisaki・ERGでその能力は証明済.

・熊本 篤志 准教授(地球物理学専攻 [宇宙電磁気]):木星電波の反射を応用したガニメデ・オイロパの氷地殻(とその下の地下海)の探査を行う「パッシブレーダー機能」の開発.そもそも行ってみないと本当にできるかどうかは不明という,これまたしんどい部分です.Akebono・Nozomi・Kaguya・ERGで,その能力は証明済.

・加藤 雄人 准教授(地球物理学専攻 [宇宙電磁気]): 他機器のデータとまとめて探査機内での高度データ処理を行う S-WPIA機能(ソフトウェア型波動-粒子相互作用解析装置)の開発.ERGで初めて搭載する機能なのでその実証を要しますが,惑星への展開は史上初.

<関連>
記事:[2016/7/21-15] 木星探査機JUICE/RPWIチーム会議
記事:[2016/2/7-21] 欧州木星探査機JUICE: RPWI – EM1統合試験
記事:[2016/1/23-24] SUBARU木星観測:COMICS
記事:[2015/4/20-24] 欧惑星探査機への巡業:火星探査機と木星探査機
記事:[2015/1/30-2/2] 木星観測@Subaru, ハワイ

#木星探査機JUICEについては以下もご参照下さい。
・日本側事情 https://juice.stp.isas.jaxa.jp/
・欧州側事情 http://sci.esa.int/juice/JUICE (Credit: ESA)

[2016/9/29] ERG衛星:内之浦(打上場)へ移動

(by 笠羽)
本学・地球物理学専攻メンバーが以下のスキームで中核を担ってきた JAXAのジオスペース観測衛星・ERG (Exploration of energization and Radiation in Geospace) が,2016年度末の打ち上げを目指して,JAXA・内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)へ移動します.これに先立って,JAXA宇宙科学研究所(相模原)で9/29に報道公開が行われました.(私はスイス・ベルンで今週開催中だった「JAXA 紫外線・極端紫外線望遠鏡衛星Hisakiのサマリ会合」に仙台からTV会議で出ており,「そう聞いた」だけではありますが.)

この衛星は,地球周辺の宇宙空間に広がる高エネルギー電子が蓄積される「バンアレン帯(放射線帯)」の成因を調べるため,電子と電磁場を同時観測してその相互作用を解明するものです.本学は地球・太陽・惑星における高エネルギー現象の研究を主目標のひとつとしてきており,この衛星はこの目標に向けた長年の研究における画期となります.内之浦でのフライト前最終試験は,10月から開始されます.

ERG衛星 20160930 (© JAXA)相模原における出荷前のERG (©JAXA)

==================================================================
<東北大学からの参画>
・小野 高幸 名誉教授(元・地球物理学専攻):元・プロジェクト全体の主任研究者(PI).在職時の2013年の12月にご逝去.後継は,本学出身(地球物理学専攻)の三好由純准教授(名古屋大・宇宙地球環境研究所 准教授).

・わたくし – 笠羽 康正 教授(地球物理学専攻 [惑星大気物理]):本衛星に搭載される PWE(電場・プラズマ波動観測機)の主要メンバー.2015年まで主任研究者.2016年以降,笠原禎也教授(金沢大・電子情報科学専攻)へ交代し,現在は副主任研究者,15m長で衛星から展開される4本のワイヤアンテナ(WPT-S)とDC電場レシーバ(EFD)の責任者,およびオンボードデータ処理部のコア部開発担当.
電場・プラズマ波動観測は,日本の宇宙科学衛星において長年東北大他が担ってきたもので,本学にとっては大家寛 名誉教授,小野 名誉教授の松明を継ぐものでもある.PWEは,2018年打上予定の日欧合同水星探査機BepiColomboに搭載されるPWE(電場・プラズマ波動観測機)の技術を先行して地球周回に展開するもので,欧州宇宙機関(ESA)が2022年に打上予定の木星・氷衛星探査機 JUICE(JUpiter ICy moons Exploler)に搭載されるRPWI(電波・プラズマ波動観測機)にも受け継がれる.(笠羽は前者の主任研究者,後者の副主任研究者・日本側チーム代表)

・熊本 篤志 准教授(地球物理学専攻 [宇宙電磁気]):PWE を構成する HFA(高周波電波レシーバ)の責任者.BepiColombo-PWI・JUICE-RPWIにおける開発担当を兼ねる.

・土屋 史紀 助教(惑星プラズマ・大気研究センター [惑星電波観測]):PWE を構成する HFA の開発,特にオンボード・地上データ処理部を担う.JUICE-RPWI における開発担当を兼ねる.

・加藤 雄人 准教授(地球物理学専攻 [宇宙電磁気]):本衛星に搭載される S-WPIA(ソフトウェア型波動-粒子相互作用解析装置の開発担当,特に大規模数値シミュレーションによる動作原理の開発.主任研究者は,小嶋浩嗣 准教授(京大・生存圏研究所).
この装置は,PWEなど複数機器の観測データをまとめて衛星内で高次処理するもので,この種の「衛星内高度データ処理」は非常に珍しい.ERG衛星は地球の放射線帯を構成する相対論的エネルギー電子の成因を調べることを主目的に据えるが,本装置はその主役となる

他にも,小原隆博教授(惑星プラズマ・大気研究センター・センター長)らが高エネルギー粒子観測,坂野井健 准教授(惑星プラズマ・大気研究センター[惑星分光観測])らが地上オーロラ観測などで参加し,グループ総動員でこのミッションを支えていくことになる.
==================================================================

<報道>
河北新報  http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201609/2016092901001528.html
共同通信 http://this.kiji.is/154175409391304708?c=110564226228225532
朝日新聞 http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/nation/ASJ9Y4PWMJ9YULBJ007
毎日新聞  http://mainichi.jp/articles/20160930/ddp/012/040/015000c
産経新聞 http://www.sankei.com/photo/story/news/160929/sty1609290021-n1.html
東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092901001528.html
神奈川新聞 http://www.kanaloco.jp/article/202521
静岡新聞  http://www.at-s.com/news/article/science/286750.html
中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016092901001528.html
神戸新聞 https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201609/0009537178.shtml
高知新聞 https://www.kochinews.co.jp/article/52455/
西日本新聞 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/article/278357
長崎新聞 http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20160929/sc2016092901001528.shtml
日刊工業新聞   https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00401566

宇宙作家クラブ http://www.sacj.org/openbbs/ (えらく細かい.うーむPWE所属のMSCの写真もあるな.仕事中に撮ったものは公開できないはずなのが,こういうイベントで撮ったらいいわけですね.)
Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160929-00000145-jij-sctch

NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160929/k10010711621000.html
テレビ朝日 http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000084535.html

放射線帯(ヴァンアレン帯)を飛翔するであろうERG衛星の図.
せっかく上杉神社でお札も頂いたので,無事の旅立ちを祈る(© ERG project)
ERG (© ERG project)

「STEシミュレーション研究会-太陽地球惑星系探査とシミュレーション研究–」のお知らせ

2016年8月31日(水)~9/2日(金)に東北大学・青葉山北キャンパスを会場として「STEシミュレーション研究会」を開催します。
打上を目前に控えるジオスペース探査衛星ERGや水星探査計画BepiColomboの紹介、太陽地球系科学・プラズマ科学に関するシミュレーション全般、領域間/スケール間結合モデル、宇宙天気シミュレーションなどの最新の研究成果についての発表が予定されています。

場所は理学研究科合同C棟・4階講義室です。プログラムなどの詳細はこちらのページをご覧ください。

[2016/8/6] 上杉神社に参拝 〜ERG衛星の射場出荷へ〜

(by 笠羽)
ジオスペース探査衛星ERGの,射場(鹿児島県・内之浦)への出荷に向けた最終試験が終盤となりつつあります.私はこれに搭載する主要機器の1つPlasma Wave Experimentの責任者の片割れですが(PI:金沢大・笠原さん,Co-PI:京都大・小嶋さん金沢大・八木谷さん,私.他にも富山県大,名古屋大など),うちの機器は衛星レベル試験に入った3月以降,二週間に一度ぐらいのペースで各種様々なトラブルに見舞われております.何が起きどう解決してきたか,「打上がうまくいき,うちの15m アンテナ4本が無事宇宙空間で伸展を遂げたら」紹介いたしますが,まずはさっさと心置きなく宇宙に向かっていただきたい・・・のだが,自分の日頃の行いには確信を持てないので,「神頼み」もせねばなるまい.

MINOLTA DIGITAL CAMERA

有名な「毘」(毘沙門天)と「龍」(不動明王)の旗が翻る,真夏の米沢・上杉神社,気温35℃.なお,廟所には,この2つに加えて「紺地朱の丸」(青地に赤丸)の旗があり.

・・・ということで,本日,山形県は米沢市にある上杉神社を巡礼して参りました.仙台から110 km.「福島飯坂で東北道を降り国道13号経由」で二時間弱です.旧米沢城の丸の内にあり,城趾内には「伊達政宗生誕の地」の碑が・・・ん? 伊達家は元々は福島〜米沢が本拠で,秀吉に飛ばされ宮城に移ったんでしたね!

とはいえ,我が家から徒歩10分の大崎八幡宮(うちの散歩コース.でも本殿は国宝)ではなく「上杉神社」のお札にした理由は,伊達家にではなく,日本の宇宙科学に由来します.私のD論ネタとなった日米共同磁気圏観測衛星Geotail(1992年,米・ケネディ宇宙センターから打上)を運用していた宇宙研の部屋には「上杉神社」のお札が飾ってありました.上杉神社といえば上杉先生.宇宙研の元「大ボス」,Geotailでは工学側の総元締.運用当番が回ってくるたびにお世話になりました.GeotailはJAXAの最長寿衛星(だと思う)としてほぼ無傷のまま未だに飛んでいるので,「あやかっておこう」という趣旨です.ERG関係者の中で米沢に最も近いのは東北大メンバーですので,僭越ながら全国・台湾および世界に散らばる全関係者を代表し,(うちの研究室用と)宇宙研の衛星試験室・運用室用のお札を頂いて参りました.8/10に宇宙研側コアメンバー(篠原・高嶋)に押し付ける予定です.ついでに,NEC・ERG担当の氏家さん(本研究室OG.東北大初代小型衛星の主)用の「かねたん印」お菓子も持っていくので,ついでにお渡しをお願いする予定です.

上杉先生のご退任は2006年,もう10年前です.が,その後もハワイの空港のチェックインカウンターでばったりお会いしたこともあり(宇宙工学の国際研究会が私が観測に行った週にあったらしい),お元気なようでなによりです.上杉家代々の皆様共々,我々をお護りくださいませ.このお札の霊験あらたかに,ERGが予定される使命を全うせんことを祈ります.
(これでもまだ何か起きるようなら,伊達家代々の皆様のお力も借りに,大崎八幡宮にも行かねばなるまい...こちらはいつでも行けますけど.青葉城趾を引き継がせて頂いた東北大がやっている仕事でございますので,そのよしみでどうぞ我々をお護りください.)

MINOLTA DIGITAL CAMERA

帰途も何事も起きず,無事持ち帰った上杉神社のお札x2.上杉家廟所で頂いた「”毘”の字が赤く輝く折り紙の兜」もサービスで付けましょう! なおGeotail運用を加護する上杉神社のお札は,今でも健在とのことです(さきほど生情報で確認).

[2016/7/11-15] 木星探査機JUICE/RPWIチーム会議

JUICE_RPWI_J_E_Wahlund

開発責任者のJ.-E.Wahlund博士による研究対象に関する議論の一コマ

7月11~15日に「木星探査機JUICE 電波・プラズマ波動観測装置 RPWI チーム会議」が理学研究科合同C棟で開催されました。「JUICE」 は「JUpiter Icy Moon Explorer」の略で、木星の4つのガリレオ衛星のうち、氷の地殻を持つと考えられている3つの衛星、エウロパ、ガニメデ、カリストを主な観測対象とした探査機です。JUICE計画はESA(欧州宇宙機関)が主導し、日本と米国も参加し科学搭載機器の開発が進められています。JUICEは2022年に打上げられ、2029年に木星系に到着、その後、約4年に渡り木星を周回し、ガリレオ衛星を巡りながら観測を行う予定です。JUICEには各種撮像装置やレーザー高度計等の衛星表面を計測する機器に加えて、プラズマ計測器や磁場計測器等、木星や衛星周囲の電磁現象・環境を計測する10を越える科学計測器の搭載が予定されています。「RPWI」はその一つで、名称は「Radio and Plasma Wave Investigation」(電波・プラズマ波動探査装置)の略、0~1.6MHzの電場、80KHz~45MHzの電磁波を計測する装置です。RPWIの開発にはヨーロッパの5カ国と日本が関わっており、開発責任者はスウェーデン宇宙物理研究所のJ.-E.Wahlund博士がつとめています。日本は、共同開発責任者を担う本専攻 笠羽康正教授の他、本専攻 太陽惑星空間系領域の4名の教員と学外の研究者・技術者とともにRPWIの高周波数電波受信部の開発を行っています。RPWI開発は2019年までの完成を目標に進められており、現在は、試作機の特性確認に基づき開発要素の洗い出しと改良に向けた策定を行っている段階です。今回の会合は、ヨーロッパ、日本のチームメンバー30余名が一堂に会し、進捗状況や開発に関わる情報を確認・共有するとともに、互いの機器の接続方法や共通部分の仕様について議論し、今後の開発に向けた諸仕様の決定や課題の整理・明確化のために行われたものです。

#木星探査機JUICEについては以下もご参照下さい。
https://juice.stp.isas.jaxa.jp/
http://sci.esa.int/juice/

JUICE_RPWI_201607_02