金星観測@ハレアカラ山頂
ハワイ(マウイ島)のハレアカラ山頂にある東北大学望遠鏡(T60)で金星観測を行うため、3週間程(3/1~22)出張に行って参りました。
今回の観測は、去年12月に金星周回軌道への投入に成功した金星探査機あかつきとの連携として、地上観測と人工衛星による同時観測の実現を目標としていました。
3/2に早速ヘテロダイン分光観測を開始し、出だしは好調でした。
…でしたが、可視光のモニターカメラには見えているはずの金星が、なぜか赤外光ではだんだん見えなくなってしまう事態に陥ってしまいました。
装置を幾度となく調整しましたが、原因は改善されませんでした。そこで、一からヘテロダイン分光器を組み直すことになりました。私はヘテロダイン分光器を用いた研究をしていますが、実際にヘテロダイン分光器を組んだことはありません。今回の組み直しで、この装置の光軸調整がいかに難しいかを身に染みて感じました…
ヘテロダインを最初に見たときは、かなり複雑な仕組みだと思いましたが、実際に自分自身で組んでみると仕組みをよく理解することができ、光の道筋が明確にイメージできるようになりました。
今回の出張では、残念ながら金星の観測結果は得られませんでしたが、自分で実際にヘテロダイン分光器をセットして扱う能力を修得しました。この成果は、今後の自分の研究・開発の大きな財産になると感じております。
高見(M2)