現在の火星は地球に比べて大気が薄く、その気候は寒冷で乾燥し、生命活動には過酷な環境です。しかし、近年の衛星探査によって、かつては地球と同様分厚い大気をもつ、温暖で湿潤な惑星であったと分かってきました。何故火星に存在した大量の大気・水は失われてしまったのでしょうか?そして、結果として生命の存在しない「死の惑星」となってしまったのでしょうか?その主な原因の1つは宇宙空間への大気の流出だといわれいます。私はこの火星からの大気流出を、数値シミュレーションによって調べています。現在は、特に酸素の流出の太陽活動に対する依存性を明らかにしようとしています。