[MILAHI]アップデート @Haleakala, Maui

5月21日から31日まで、東北大学が開発している中間赤外レーザーヘテロダイン分光器(Mid-Infrared LAser Heterodyne Instrument: MILAHI)に新しいデジタル分光器をセットしに行きました。

地球と惑星の公転周期(速度)の差によって、惑星からくる光はドップラー効果によって本来の周波数からずれてしまいます。このずれをヘテロダイン分光器では捉えるわけですが、2.5GHzの周波数帯域を持つ新デジタル分光器ではMILAHIのターゲットとなる惑星の火星、金星の最大のドップラー効果による周波数のずれ(火星:1600MHz、金星:1400MHz)でも十分にスペクトル捉えることができるようになります。

アップデートしたMILAHIで取られた金星の波長10µmのCO2 non-LTE放射のスペクトルが下図になります。このグラフの横軸は周波数のずれ[MHz]、縦軸は地球大気との相対強度になります。こちらは、5分間積分したデータになりますが、実際には20分ほどの観測データを積分してノイズを小さくして風速や温度を取り出します。今回のデジタル分光器の設置で、これからのMILAHIでの観測の幅がさらに広がりました。(高見)