Earth and Planetary Cloud Workshop 2025に参加してきました

カリフォルニア工科大学で開催されたEarth and Planetary Cloud Workshop 2025に修士2年の生方が参加しました。本ワークショップでは、地球大気の雲研究者と惑星大気(金星・火星・木星・タイタン・系外惑星など)の雲研究者が一堂に会し、3日間にわたり雲・エアロゾルの最新成果と将来計画を議論しました。
生方はポスター発表を行い、先日出版された論文の内容について多くの研究者とディスカッションすることができました。NASA JPL のエアロゾル研究グループとは、小型チャンバーを用いる利点と大型チャンバーを用いる利点について比較検討をしました。なお、私たちが使用している小型チャンバーは、電場で荷電粒子を空中に静止させるという仕組みです。この原理は 1909 年、ロバート・A・ミリカンが油滴実験で電気素量を測定した際に考案した装置にまで遡ります。ミリカンはその後、1910 年代に当時の Throop College of Technology を現在のカリフォルニア工科大学へと改組し、1921–1945 年にわたり “Executive Council Chair” (事実上の初代学長)を務めました。100 年以上前に生み出された原理を使った研究について、まさにミリカンゆかりのカリフォルニア工科大学で発表したことに、深い歴史の巡り合わせを感じます。
昼食や夕食も含めて参加者と長い時間を共有できたことで、専門分野やキャリアの段階を超えた活発な意見交換が生まれ、研究の視野がいっそう広がりました。
本ワークショップで得た知見とネットワークを糧に、今後も小型チャンバーを用いた雲化学研究を推進していきます。
(文責:生方颯真)