[2016/7/11-15] 木星探査機JUICE/RPWIチーム会議

JUICE_RPWI_J_E_Wahlund

開発責任者のJ.-E.Wahlund博士による研究対象に関する議論の一コマ

7月11~15日に「木星探査機JUICE 電波・プラズマ波動観測装置 RPWI チーム会議」が理学研究科合同C棟で開催されました。「JUICE」 は「JUpiter Icy Moon Explorer」の略で、木星の4つのガリレオ衛星のうち、氷の地殻を持つと考えられている3つの衛星、エウロパ、ガニメデ、カリストを主な観測対象とした探査機です。JUICE計画はESA(欧州宇宙機関)が主導し、日本と米国も参加し科学搭載機器の開発が進められています。JUICEは2022年に打上げられ、2029年に木星系に到着、その後、約4年に渡り木星を周回し、ガリレオ衛星を巡りながら観測を行う予定です。JUICEには各種撮像装置やレーザー高度計等の衛星表面を計測する機器に加えて、プラズマ計測器や磁場計測器等、木星や衛星周囲の電磁現象・環境を計測する10を越える科学計測器の搭載が予定されています。「RPWI」はその一つで、名称は「Radio and Plasma Wave Investigation」(電波・プラズマ波動探査装置)の略、0~1.6MHzの電場、80KHz~45MHzの電磁波を計測する装置です。RPWIの開発にはヨーロッパの5カ国と日本が関わっており、開発責任者はスウェーデン宇宙物理研究所のJ.-E.Wahlund博士がつとめています。日本は、共同開発責任者を担う本専攻 笠羽康正教授の他、本専攻 太陽惑星空間系領域の4名の教員と学外の研究者・技術者とともにRPWIの高周波数電波受信部の開発を行っています。RPWI開発は2019年までの完成を目標に進められており、現在は、試作機の特性確認に基づき開発要素の洗い出しと改良に向けた策定を行っている段階です。今回の会合は、ヨーロッパ、日本のチームメンバー30余名が一堂に会し、進捗状況や開発に関わる情報を確認・共有するとともに、互いの機器の接続方法や共通部分の仕様について議論し、今後の開発に向けた諸仕様の決定や課題の整理・明確化のために行われたものです。

#木星探査機JUICEについては以下もご参照下さい。
https://juice.stp.isas.jaxa.jp/
http://sci.esa.int/juice/

JUICE_RPWI_201607_02