6月金星観測[T60/MILAHI]

6月上旬から3週間かけて、ハレアカラ山頂の東北大学60cm望遠鏡に設置されている中間赤外ヘテロダイン分光器MILAHIのアップデートと金星観測を行ってまいりました。

今までも試験観測を続けてMILAHIの性能の確認をしてきましたが、今回をもって積分時間を十分にとり本格的な観測に移行することができました。下の図が2018年6月26日に約1時間積分して取得した金星赤道の縁の二酸化炭素10µm非熱力学的平衡放射スペクトルになります。十分な時間で積分することで今まで活動報告で紹介してきたスペクトルに比べて格段にノイズが減っております。このスペクトルとノイズレベルからは金星の高度110kmの大気の温度と風速がそれぞれ10˚C、10m/sの精度で求めることができます。

今回の観測結果は、あかつきScience Woking Team Meeting #10と国際金星会議[https://www.cps-jp.org/~akatsuki/venus2018/]にて発表予定です。

次回の金星観測は地球への接近の直前の10月上旬を予定しております。また、8月の下旬からは現在地球に大接近している火星のヘテロダイン観測が実施予定です。