超高分解能 赤外ヘテロダイン分光
我々の研究室では1985年から赤外ヘテロダイン分光器を世界に先駆けて開発し、オゾンなどの地球微量大気の研究に役立ててきました。近年ドイツ・ケルン大学やNASAと協力して、発展が目覚ましい量子カスケードレーザを応用することで、惑星観測専用の赤外ヘテロダイン分光器MILaHIの開発に成功しました。中間赤外域でその波長分解能は100万を越えます。天体の微量な大気を検出したり、風速や温度を高精度で計測することに秀でています。東北大・ハワイ大などが進めているハワイ・ハレアカラ惑星専用望遠鏡PLANETSや東北大学60cm望遠鏡(T60)での定常運用を予定しており、我々にしかできない世界初の「超高分解能分光による惑星連続観測」を実現して、まだまだ謎の多い惑星大気の進化の解明に貢献します。2014年8月にT60望遠鏡とヘテロダイン装置のハレアカラ山頂への移設が完了し、2014年9月にいよいよ惑星観測に向けた準備が開始されます。(中川広務)