近年、火星の地下に多量の氷がある事が示唆されており、火星の水循環に注目が集まっています。私達は、すばる望遠鏡で火星水蒸気の同位体比の分布を調べ、大気大循環モデルと比較することで、水循環の解明を目指しています。また、火星探査衛星データから、水蒸気の高度分布導出を目指しています。火星大気中の水蒸気は近年、飽和度を超える量が存在する「過飽和」状態になっていることが示唆されており、高度分布の詳細な研究が重要となっています。さらに、これらの微量成分の研究をさらに進めるため、ハワイ・ハレアカラ望遠鏡に私たちが開発を進めている赤外ヘテロダイン分光器を取り付けて、継続観測する予定です。