火星大砂嵐時の中間圏における強烈な東風の発見
現在の火星は、過去に比べ多くの水を宇宙に放出していると考えられています。その原因である可能性として挙げられているのが、惑星を覆うような規模にまで成長する大規模な砂嵐「全球ダストストーム」です。この研究では、2018年に発生した全球ダストストーム期間中に、東北大学が保有する地上望遠鏡に搭載された赤外ヘテロダイン分光器を用いて観測を行い、”中間圏”と呼ばれる高さ80km付近で吹いている東西風が通常大気と比べどのように変化しているのか調べています。
観測の結果、中間圏では全球ダストストーム期間中 200 m/s を超える強い東風が吹いていることを発見しました。これは通常の大気に比べて 約140 m/s も速いという結果です。
修士2年 宮本