フォボス表面の帯電現象の研究
太陽系には様々な天体が存在しますが,その成り立ちについては未だ解明されていない部分が多くあります.そういった星の進化の謎を明らかにするプロジェクトの一つが,はやぶさなどに代表される小惑星探査です.小惑星の表層には太陽系形成初期の物質が存在するとされていますが,同時にそのような大気のない天体表面では,太陽風や宇宙線の照射による表面物質の変化(宇宙風化作用)が起こっています.従って表面物質からその起源を探る研究には,まず天体の置かれた環境を知る必要があります.そこで私は小天体が太陽風にさらされた際にその表面が帯電するという現象に着目し,帯電によって表面の宇宙風化作用がどのような影響を受けるのかという問題を研究しています.この研究ははやぶさ2の次の日本のミッションであるMMXミッションにおいて,サンプルリターンで持ち帰った表層物質の解析に役立てられます. (博士1年 田邉)
画像: http://cosmos.isas.jaxa.jp/were-going-to-the-martian-moons/