火星中間圏雲の生成過程の解明

積乱雲、巻雲、層雲などなど中学校の理科で雲が色々あることを習ったと思います。みなさんが聞いたことのあるこれらの雲は全部対流圏に存在します。しかし、中間圏にも雲が存在することを知ってましたか?この雲の名前は中間圏雲(夜光雲)!最近、中間圏雲と地球温暖化の関連が指摘され始めていて、いろいろと研究が盛んになっています。この雲の発生頻度や高度分布、緯度分布、生成過程が明らかになってきました。

実はこの雲は、火星にも存在することが知られています。ただし火星における中間圏雲の研究は地球ほど盛んでなく、生成過程などは明らかになっていません…。希薄な大気のため大気状況が劇的に変化する火星において、中間圏雲はどこにいつどのように発生するのでしょうか?

そこで僕は、火星の中間圏雲の発生頻度・生成過程を明らかにするために、火星探査機の観測データを用いて研究を行っています。現在火星探査機が多く飛び回り、多くのデータが収集されています。収集されたデータを解析することで、発生頻度や生成過程など必要な情報を導出します。自身が導出した観測結果と共同研究者の理論結果を比較考察し、火星における中間圏雲の生成過程を明らかにすることが研究の最終的な目標となっております。生成過程が明らかになることで、雲形成理論にも大きな影響を与える可能性があるという、挑戦的ですが価値のある研究です!(修士1年・小泉)